はじめまして、投資家の関原大輔(@sekihara_d)です。
今回は私が「ナスダックの暴落」を予想する、7つの理由を解説していきたいと思います。
🔳ナスダックの暴落を予想する7つの理由
✅①米国長期金利の上昇
✅②ドル高の急速な進行
✅③経済の転換期を迎える
✅④過去の暴落に酷似している
✅⑤ナスダックの上昇は速すぎる
✅⑥利上げと金融引き締めが進む
✅⑦ナスダックは金利上昇に弱い
「ナスダックは、暴落する可能性があるのかな・・・」
今回は、そんな疑問にお答えしていきます。
【結論】ナスダックは2022年の間に、大きな暴落に遭うと予想します。
2022年はウクライナ危機も重なり、金融市場の状況が目まぐるしく急変しています。
そして米国長期金利が、ついに大幅な急上昇。
いよいよ、長らく続いた上昇相場に転換期が訪れようとしています。
ナスダックの暴落を予想する7つの理由
それでは「ナスダックの暴落」を予想する理由について、解説していきましょう。
以下に7つの理由について、1つずつ解説していきます。
①米国長期金利の上昇
まずは何といっても、米国長期金利の上昇です。
下図に直近10年間における、米国10年債利回りのチャート図を示します。
米国10年債利回り_10年
米国長期金利は2020年に0.5%まで低下しましたが、22年3月には一時2.5%まで上昇しました。
たったの2年間で、長期金利は2%も上昇してしまったのです。
このような金利の急上昇は、10年間で2回ほどの頻度でしか起こらない、滅多にない現象です。
長期金利の急速な上昇は、景気後退を招く可能性が極めて高まります。
②ドル高の急速な進行
次に懸念すべき要因が、ドル高の急速な進行です。
下図に直近10年間における、ドル/円の長期チャートを示します。
ドル/円_10年チャート
米国長期金利の上昇に伴い、ドルの急速な上昇が進んでいます。
2022年3月、ドルは一時125円を突破してしまいました。
これは約7年ぶりの事で、直近20年間では、2015年に一度しか発生していません。
現在の相場はそれくらい、異常な水準に達しているのです。
異常な水準は、必ず平均へ回帰する
急速なドル高のように、金融市場が異常な水準に達すると、どこかで経済のバランスが崩れます。
そしていつの時代も、異常な数値は必ず「平均へ回帰」しようとします。
異常値から平均へ回帰する時には、一時的に大きな反力が生じ、これが株価を押し下げます。
急速なドル高により市場バランスが崩れれば、一時的に景気後退へと向かう可能性が高まります。
③経済の転換期を迎える
現在の金融情勢は、明らかに転換期を迎えようとしています。
経済は基本的に、下図のような長期サイクルを定期的に循環しています。
現在はインフレが進みすぎており、FRBが利上げを実施し、金融引き締めに入ろうとしています。
上図の長期サイクルで言えば、現在は明らかに右上の「金利上昇(金融引き締め)」に当たります。
この先に待っているのは、景気の縮小と「株価の下落」です。
世界経済は今まさに、大きな転換期に差し掛かろうとしています。
④過去の暴落に酷似している
現在の状況は、過去に発生した暴落時の状況に酷似しています。
①で先述した通り、米国長期金利は直近2年間で2%も上昇しました。
近年で同様の上昇が起きたのは、2000年、2007年、2010年、2018年の4回だけ。
これらの直後、ナスダックはいずれも大きな暴落に見舞われています。
米国債はついに逆イールドに
また米国債はついに、長短金利が逆転する「逆イールド」に突入しました。
下図に過去25年間における、長短金利差のチャート図を示します。
米国債の長短金利差_25年
(引用元:IR BANK)
2022年4月1日、ついに米国2年債が10年債利回りを上回りました。
逆イールドが発生したのは、過去25年間では2000年、2007年、2019年の3回だけ。
これはITバブル、リーマンショック前、コロナショック前の3回で、いずれも直後に大暴落へ突入。
このように現在の状況は、過去に起きた暴落前の状況に酷似しているのです。
⑤ナスダックの上昇は速すぎる
ナスダックは直近3年間で、あまりにも大きく上昇しました。
下図に、ナスダックの20年チャートを示します。
ナスダック_20年チャート
上図を見れば、直近3年間の上昇ペースが、やや早すぎることが分かると思います。
続いて直近3年間における、ナスダックの上昇率を下記に示します。
ナスダックは直近3年間で大きく高騰しており、特に2020年には年間で42.6%も上昇しています。
ナスダックの年間上昇率
- 2021年:+20.7%
- 2020年:+42.6%
- 2019年:+37.9%
このナスダックの上昇速度は、あまりにも速すぎます。
ナスダックの30年間における長期平均利回りは、11%ほど。
よって直近の上昇は、過去の長期平均利回りを大きく超過しているのです。
よっていずれ、大きな調整局面が訪れることは避けられないでしょう。
⑥利上げと金融引き締めが進む
そして言うまでもないですが、2022年3月より、FRBによる政策金利の利上げが始まっています。
2022年には複数回の利上げを行い、政策金利が大きく引き上げられることが確実です。
またFRBは同様に、QT(量的引き締め)の実施に踏み切ることも確実です。
よって今後の金融政策は引き締めの方向でしかなく、株価の上昇を抑制する政策が進められます。
⑦ナスダックは金利上昇に弱い
そしてナスダックは特に、金利の上昇に弱い特性があります。
ナスダックの主力を構成するハイテク株は、金利が上がると下落しやすいためです。
よって金利が上がっていく局面では、ナスダックは特に不利な指数です。
したがって必要に応じ、金利の上昇に強い場所へ資金を移すことが必要かもしれません。
まとめ
以上により、今回は私が「ナスダックの暴落」を予想する、7つの理由を解説させて頂きました。
ここまで解説してきた項目について、最後にもう一度おさらいしておきましょう。
🔳ナスダックの暴落を予想する7つの理由
✅①米国長期金利の上昇
✅②ドル高の急速な進行
✅③経済の転換期を迎える
✅④過去の暴落に酷似している
✅⑤ナスダックの上昇は速すぎる
✅⑥利上げと金融引き締めが進む
✅⑦ナスダックは金利上昇に弱い
【結論】ナスダックは2022年の間に、大きな暴落に遭うと予想します。
2022年に入り、米国長期金利があまりにも急速に上昇しています。
長期金利は2年間で2%も上昇し、ついには景気後退を示唆する「逆イールド」に陥りました。
金利の上昇に弱いナスダックは、最も暴落に注意を払う必要があるでしょう。