3月の金融危機が、短期的な株高トレンドとなる理由

3月の金融危機が、短期的な株高トレンドとなる理由

 

こんにちは、投資家の関原大輔@sekihara_d)です。

3月は銀行が4つも破綻する金融危機により、市場が大きく動きました。

この金融危機の発生により、市場のトレンドは大きく転換。

マーケットは、短期的な株高トレンドへの移行が始まっています。

 

🔳金融危機が、短期的な株高トレンドとなる理由

✅利上げ停止への期待が高まっている

✅早期の利下げ期待も、株高の要因に

✅債券が買われ、長期金利は大幅低下

✅政府・中銀が、リスクに迅速な対処

✅FRBのバランスシートが再拡大した

✅インフレも、短期的に和らぐ見込み

 

【重要】金融危機をきっかけに、株価は短期的な上昇トレンドへ移行しました。

金融危機の発生で「利上げ停止」が近づき、利下げ早期化の期待も高まりました。

長期金利は大きく低下し、市場は強気相場へと移行しています。

今回はこの「短期的な株高への移行」について解説していきたいと思います。

 

金融危機が、短期的な株高トレンドとなる理由

金融危機が、短期的な株高トレンドとなる理由

 

それでは、これから短期的な株高へ移行する理由について、解説していきましょう。

以下に5つの理由について、1つずつ解説していきます。

 

利上げ停止への期待が高まっている

今回の金融危機により、利上げの水準は大きく引き下がりました。

シリコンバレー銀行の破綻前まで、ターミナルレートは5.50-5.75%が有力でした。

これが破綻をきっかけに、もう4.75-5.00%のまま停止する観測が高まっています。

これにより、株価は大きく上昇することになったのです。

 

【3月9日時点】政策金利見通し

【3月9日時点】政策金利見通し

 

【4月1日時点】政策金利見通し

【4月1日時点】政策金利見通し

 

早期の利下げ期待も、株高の要因に

さらに「利下げ」についても、早期の開始が織り込まれています。

SVB破綻前は、年内の利下げは期待されていませんでした。

ところが破綻をきっかけに、秋からは利下げの観測が高まっています。

この早期の利下げ期待も、株価を押し上げる要因となっています。

 

債券が買われ、長期金利は大幅低下

また銀行破綻をきっかけに、世界中のマネーが米国債へ集まりました。

その結果、米国長期金利は急速に低下。

米国2年債利回りは、2週間で5.1% 3.8% へ急低下しました。

この金利の急低下により、米国株への買い圧力が強まっています。

 

米国長期金利が急低下

米国長期金利が急低下

 

政府・中銀が、リスクに迅速な対処

また今回は欧米の政府・中央銀行が連携し、危機を迅速に摘んでいる点が大きいです。

シリコンバレー銀行の破綻時も、預金の全額保護を即座に発表。

クレディ・スイスの危機も、政府が働きかけ、即座に買収を決着させています。

今回の米政府には、どんな手段を使ってでも、金融危機を回避する姿勢が伺えます。

これも、株価を押し上げる大きな要因となりました。

 

FRBのバランスシートが再拡大した

この預金保護や銀行救済を行ったため、FRBのバランスシートは再び拡大しています。

これまでQT(量的引き締め)により、少しずつ縮小させてきた資産が急拡大。

再び4,000億ドル(53兆円)ものマネーがばら撒かれており、これはもう実質的な量的緩和と変わりません。

この荒療治により株式へもマネーが集まり、株高を招く要因となっています。

 

FRBのバランスシートは急拡大

FRBのバランスシート

 

インフレも、短期的に和らぐ見込み

今回の金融危機により、今後はインフレも一時的に和らぐと予想します。

3月は金融危機の影響で、原油価格が下落、個人消費の低下も散見されています。

つまり4月に発表される物価指標などは、さらに弱まる可能性があります。

インフレが一段と鈍化すれば、利上げ停止も含め、株価にも上昇圧力が強まるでしょう。