はじめまして、投資家の関原大輔(@sekihara_d)です。
今回は「資生堂の株価」の今後について、当面は厳しい5つの理由を解説していきたいと思います。
資生堂の株価の今後は?【当面は厳しい5つの理由】
✅ ①コロナで止まった急成長
✅ ②コロナで、株価は大暴落
✅ ③20年12月期は、赤字へ転落
✅ ④赤字の影響で、配当金も減配に
✅ ⑤業績悪化で、株価はかなり割高
「資生堂の株価は、今後どうなるかな・・・」
今回は、そんな疑問にお答えしていきます。
【結論】コロナが完全終息するまでの2~3年は、株価の回復は難しいでしょう。
資生堂はこれまで急成長を遂げてきた好況から一転、20年12月期は▲220億円の赤字に転落する見通しです。
躍進を支えてきたインバウンドの需要が激減しており、コロナが終息するまでは、業績の回復は難しいでしょう。
今回は「資生堂の株価」の今後について、当面は厳しい5つの理由を解説していきたいと思います。
資生堂の株価の今後は?【当面は厳しい5つの理由】
それでは「資生堂の株価」について、今後の見通しを占っていきましょう。
同社ではコロナの影響で業績の低迷が避けられず、しばらくは厳しい状況が続くでしょう。
①コロナで止まった急成長
資生堂ではこれまで、インバウンド需要の急増に伴い、業績も株価も大きな成長を遂げてきました。
下図は、資生堂の直近20年間における株価チャートです。
資生堂(4911)20年チャート
これを見れば、この4年ほどで、資生堂の株価は大きく上昇したことが分かります。
特に2017年からは大きく高騰し、たったの1年で、株価は3倍にまで上昇しました。
これを裏付けるように、資生堂の業績は、売上も利益も大きな成長を続けてきました。
売上高
(単位:億円)
当期純利益
ここまで順調な成長を続けてきた資生堂でしたが、20年の新型ウイルスの影響で、状況は一変します。
店舗が休業した影響と、インバウンドが激減したことで、業績の成長が完全に止まってしまったのです。
②コロナで株価は大暴落
中国で新型ウイルスが流行し、インバウンドが減り始めてから、資生堂の株価は急落を始めました。
下図は資生堂における、直近1年間の株価チャートです。
資生堂(4911)1年チャート
19年11月には9,000円まで高騰していましたが、その後は急速に下落し、3月には5,500円を割り込むまで急落しました。
たったの3ヶ月半で、株価は▲40%も下落してしまったのです。
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③20年12月期は、赤字へ転落
20年8月の中間決算報告にて、通期の業績予想が修正されました。
19年の純利益は+736億円の黒字でしたが、20年12月期では、▲220億円の赤字の見通しとなりました。
20年12月期の業績見通し
(単位:億円)
これまで大きな躍進を遂げてきた資生堂ですが、コロナの影響で状況は一転、赤字の見通しとなりました。
下図は国内店舗における販売状況の影響を、前年比で示したものです。
日本での販売実績(前年比)
これによると、店頭売上は徐々に回復傾向にあるものの、インバウンドの需要は落ち込んだままで、回復が見込めません。
よって業績が回復するには、コロナが完全な終息を迎え、インバウンドの需要が戻るまでは難しいでしょう。
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④赤字の影響で、配当金も減配に
業績が赤字となった影響で、配当金は早くも減配となりました。
下図にこれまでの資生堂における、配当金の推移を示します。
配当金の推移
これまで右肩上がりで増えてきた配当金も、コロナの影響で一転、あっさりと減配となりました。
このように、配当を早々に減配させたことも、株価が暴落した要因の一つです。
よって株価を回復させるには、業績を回復させ、配当も再び60円まで引き戻す必要があるでしょう。
⑤業績悪化で、株価はかなり割高
ここまで解説してきた通り、資生堂は業績が悪化してしまった影響で、株価がかなり割高になりました。
下記は資生堂の株価指数を、日経平均と対比したものです。
日経平均 資生堂
PER (倍) 21.0 -
PBR (倍) 1.1 4.6
配当利回り(%) 2.0 0.7
株価の指標(2020年8月時点)
今期は利益が赤字の見通しとなったことから、PERは算定不可となってしまいました。
PBRは日経平均の4倍以上も高く、配当利回りも減配した影響で0.7%と、日経平均の1/3ほどの低水準です。
このような状況も、資生堂の株価を下落させた要因の一つです。
よって株価を回復させるには、一刻も早く業績を回復させて、配当も増配していくしかないでしょう。
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まとめ
以上により、今回は「資生堂の株価」の今後について、当面は厳しい5つの理由を解説させて頂きました。
ここまで解説してきた項目について、最後にもう一度おさらいしておきましょう。
資生堂の株価の今後は?【当面は厳しい5つの理由】
✅ ①コロナで止まった急成長
✅ ②コロナで、株価は大暴落
✅ ③20年12月期は、赤字へ転落
✅ ④赤字の影響で、配当金も減配に
✅ ⑤業績悪化で、株価はかなり割高
【結論】コロナが完全終息するまでの2~3年は、株価の回復は難しいでしょう。
資生堂の20年12月期の業績予想では、純利益が▲220億円の赤字となる見通しです。
業績悪化に伴い、配当も早々に減配されており、株価は一気に下落してしまいました。
資生堂の株価が回復するには、コロナが終息して、業績を改善し、配当を増配させることが必須です。
それには早くても2~3年はかかるので、それまでの間は、株価の回復は難しいでしょう。
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