株式投資 長期チャートで学ぶ株価と為替と金利の関係

株価と為替と金利、この3つの重要なファクターは常に相関関係にあり、互いが常に連動するため、投資家はこの3つのファクターを常に注視する必要があります。

これらの指標は国ごとに、例えば米国と日本とでそれぞれ存在するので、実際には3つだけではなく、より多くの指標を注視しなければなりません。

株式投資で勝ち続けるには、株価ばかりを見ているようでは絶対に成功できません。

為替と金利との関連性をきちんと把握して将来を予測できてこそ、実力ある真の投資家といえるのです。

下図に米国と日本それぞれの株価・為替・金利の30年間の推移を示す長期チャートを示します。

投資家であれば最低でもこの5つの指標の動向には常に注意を払う必要があります。

今回はこの長期チャートを使用して歴史を振り返り、過去の主要な出来事の際の各指数の値動きについて解説してきたいと思います。

日米の株価・金利・為替の30年チャート

日本の不動産バブル(1990年)株価と為替と金利の関係

順を追って見て行きましょう。

チャートの左側から見ていくと、まず1990年前後における日本の不動産バブルにより、日本の株価が急上昇しています。

1989年には前人未到の史上最高値となる日経平均38,915円をマークしました。

この時の株価の上昇速度は4年間で3倍、6年間で4倍という凄まじいペースでの上昇でした。

この超急上昇はどう考えてもバブルです。

ここから為替や金利との相関性を見ていきましょう。

この1989年のピーク時には、ドル/円も急上昇しています。

日本が強いインフレとなっているため、急激に円安の方向へと動いたのでしょう。

120円程度であったドル/円が、たったの1年強で160円にまで急上昇しています。

同時に、日本の長期金利も急上昇しています。

5%程度で推移していた長期金利はたったの10ヶ月で7.8%にまで急上昇しています。

これは過熱しすぎた株価や不動産価格を抑制するために日銀が金融引き締めを急激に強めた結果です。

このように株価がバブルへと向かう過程においては、連動して円安ドル高の動きとなることが大半です。

このような好景気の時は単純に市場がリスクオンとなり、安全資産の円を売り、金利の高いドルを買う動きが加速するためです。

そしてバブル期には、長期金利が必ず急上昇します。

長期金利の上昇は景気を冷やす効果があるので、ある一定以上にまで金利が上昇してしまうと、一気にバブルが弾けます。

株式相場というのは歴史的に常にこれを繰り返しています。

阪神・淡路大震災(1995年)株価と為替と金利の関係

今度は先ほどのバブル期とは正反対の、バブル崩壊後の大底の時の話です。

バブル崩壊後の疲弊した日本経済に追い討ちをかけたのが1995年の阪神・淡路大震災で、一時2万円台まで回復していた日経平均株価は再び15,000円にまで急落しました。

同時に円高が急激に加速していることが分かります。

1990年には160円をつけていたドル/円ですが、バブル崩壊後はどんどん円高が進行し、さらに震災が引き金となって円高が一気に加速し、ドル/円は一時80円近くにまで急落しました。

そして長期金利についても同様で、ただでさえ金利の低下が続いていたところに、震災がきっかけとなって一気に急落しています。

このように市場がリスクオフとなった時には、株価、金利、ドル/円のすべてが下落するパターンが大半となります。

米国ITバブル(2000年)株価と為替と金利の関係

続いて2000年に米国でピークを迎えたITバブルの時の値動きを見ていきましょう。

1995年から2000年にかけてNYダウはたったの5年間で3倍近くの$12,000近くにまで急上昇しており、まさに絵に描いたようなバブルとなりました。

これに連動し、日経平均も2000年には一時2万円台を回復しました。

この時のバブルでもやはり米国の長期金利が急上昇しています。1998年10月には4.5%まで下落していた長期金利がたった1年3ヶ月後の2000年1月には6.6%まで急上昇しています。

このように日本の不動産バブル崩壊の時と同じく、このような金利の急上昇がバブル崩壊を示唆しているともいえます。

そしてITバブルは崩壊し2002年から2003年にかけて株価は急落、ピーク時には$12,000に迫っていたNYダウは一気に$7,000台にまで急落しています。

この時、日米両国の株価と金利、そしてドル/円のすべてが急落しています。

このように米国の株価が急落してしまうと世界中に経済不安の懸念が生じ、これらの指数すべてが一挙に急落してしまうのです。

冒頭で申し上げた、株価・為替・金利はすべてが連動するという典型的な事例です。

リーマンショック(2008年)株価と為替と金利の関係

リーマンショック前の2007年には再び株高となり、2003年には$8,000程度であったNYダウが4年後の2007年には$14,000にまで急上昇しています。

これに連動し、2003年には8,000円程度であった日経平均も2007年には18,000円を超える急上昇を見せます。

米国とほぼ同じ値動きですよね。そしてドル/円も同じように上昇、2007年には一時124円にまで上昇しています。

そして、やはりこの時も米国の長期金利が上昇しています。

2003年には3.3%まで下落していた長期金利が2007年には5.1%にまで上昇しています。

このようにバブルの崩壊前には、長期金利が必ず上昇します。

そしてリーマンショックが起こり株価は急落、$14,000まで上昇していたNYダウはたったの1年強で半値以下の$6,000台にまで急落します。

この時もITバブル崩壊時と同じ道をたどり、またしても日米両国の株価と金利、そしてドル/円のすべてが急落しています。

日経平均も米国と同じように半値以下にまで急落し、日米ともに金利は低下、124円まで上昇していたドル/円も一時75円近くにまで急落しました。

まとめ

以上により、長期チャートを使用して歴史を振り返ることにより、株価と為替と金利の関係について解説させて頂きました。

このように歴史が示している通り、株価の値動きは為替と金利の動向と密接に関係しています。

これは逆を返すと株価を予測したければ、為替と金利の動向を注視していれば、ある程度の精度で株価を推測することが可能となります。

今回解説した通り、特にバブルの崩壊については長期金利の動向を注視していれば、ある程度予測することが可能となります。

株式投資で勝ち続けるには、株価ばかりを見ているようでは絶対に成功できません。

為替と金利との関連性をきちんと把握して将来を予測できてこそ、実力ある真の投資家といえるのです。

株式投資で成果を上げるには、このような勉強と経験が必要となりますが、特に初心者の方は何から始めれば良いのか分からない方も多いと思います。

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