株式投資 投資先優良銘柄の選び方と指標【PER、PBR、ROE】

これからの日本は超高齢化社会に突入し、長寿命化により人生100年時代とも呼ばれるなかで、もはや年金だけで生活して行くことは不可能となりました。

そんな現代社会においては、資産運用はもはや必須の時代となりつつあります。そして資産運用のなかでも最もスタンダードな方法として挙げられるのが株式投資です。

しかし株式投資といっても、どうやって銘柄を選べば良いのか分からない、という質問をよく受けます。日本では株式投資をする文化が根付いておらず、オフィシャルに学ぶ機会もないので無理もありません。

そこで今回は私がおすすめするシンプルで超簡単な銘柄の選び方についてご紹介したいと思います。

株の投資先銘柄を選ぶ際に確認したい指標

✅業績推移

✅配当利回り

✅PER(株価収益率)

✅PBR(株価純資産倍率)

✅ROE(自己資本利益率)

私が投資先の銘柄を選定する際には、概ね上記5つの指標について確認するようにしています。

上記5つの材料を並べて総合的に判断し、投資に値するかどうかを検討しています。

以下に、それぞれの指標の確認方法について解説します。

業績推移

まずその企業の業績推移を確認するのは当然ですよね。

私は過去3期分の実績と、今後2期分の業績予測、計5期分の業績推移を確認します。

売上高、利益、配当の実績推移を確認し、それに基づき今後はどのような見込みであるのかを確認します。

数字を見るポイントですが、売上、利益、配当が増加傾向にあれば、その企業は順調に成長を続けているという事になるので、大変望ましいです。

その企業の株を買った後も業績が伸び続け、配当が増加を続ければ、将来的に配当利回りが上昇する事になりますし、そうなれば株価も間違いなく上昇しますので理想的な展開となります。

配当利回り

私の投資方針はあくまでも長期の複利運用が大前提なので、配当利回りを特に重要視します。

配当利回りは少しでも高いほうが、長期での複利効果が格段に高まります。

また配当利回りが高いという事は、配当に比べ株価が割安である事を意味しますので、お買い得の状況である可能性が高いといえます。

日本国内には驚くほどの高配当銘柄が沢山あり、なんと配当利回り4%以上の企業が70社ほどもあります。

これ位の利回りがあれば、10年間保有し運用すれば配当複利だけで元本が1.5倍となりますので最悪株価が半値になったとしても損失は出ませんし、18年間保有できれば配当複利だけで元本が2.0倍(=元本回収)、それどころか株価が順調に伸びれば、元本を3倍近くにする事も可能となってくるのです。

配当利回り4%というのはやや極端ですので、私は3%以上もあれば十分お買い得であると考えます。

なお3%なければ駄目という訳ではなく、2%でも他の要素で魅力が高ければ買います。

2018年10月時点での日経平均の配当利回りはおよそ2%で推移しています。

配当利回りはあくまでも参考とする指標の一つにすぎませんが、逆に1%未満のように極端に配当利回りの低い銘柄は旨味がないので避けています。

配当利回り1%未満の企業は人気銘柄によく見受けられ、これらの銘柄はいわゆる『買われすぎ』の状況で割高である可能性が高いため、注意が必要です。

PER(株価収益率)

株価が割高になっていないかどうかを知るために、PERを確認します。

PERは上式より算出される指標で、倍率が高いほど株価が割高であることを示します。

例を出すと、1株当たり純利益が10円の企業の株価が100円の場合、PERは10倍という使い方をします。

これは何を意味するかを簡単に例えると、投資家が100円を出資して1年間で10円の利益を生むということ、つまり元手の100円を企業が稼ぐのに10年を要するという事になります。

PERは業種により傾向は異なりますが、概ね10~20倍程度が一般的な数字となります。

したがって10倍未満の企業であれば比較的割安な状態といえますし、逆に20倍を超えているような企業の場合にはやや割高感が懸念されます。

ちなみに2018年10月時点での日経平均のPERはおよそ13倍前後で推移しています。

余談となりますが、1990年のバブル期のPERはおよそ80倍でした。

現在の約6倍の数値です。

PERが80倍ということは、企業が元手を稼ぐのに80年もかかるという事です。

これがバブルです。

バブルとは株価や不動産価格が非現実的なレベルにまで達している異常事態のことであり、現在のPERは13倍ですので、現在の株高をバブルだと騒ぎ立てている人は、経済の事を何も分かっていないという事です。

投資で成功するためには、マーケットの余計な雑音に惑わされないようにするためにも、勉強が必要です。

PBR(株価純資産倍率)

こちらもPERと同様に株価が割高でないかどうかを知るために、PBRを確認します。

PBRはその企業の純資産と株価を対比したものです。

例えば1株当たり純資産が100円の企業の株価が120円であった場合、PBRは1.2倍という使い方をします。

2018年10月時点での日経平均のPBRはおよそ1.2倍ですので、平均的な企業はこのようなイメージとなります。

企業の純資産は株主のものです。

従ってもしこの企業が解散する事になり資産を株主に分配することになった場合、120円を投資した株主には100円しか返って来ないという事になります。

逆のパターンとしてPBRが1倍未満の企業も多く実在します。

前述の企業の株価が80円であった場合、PBRは0.8倍となります。

このようにPBRが1倍未満の場合には、もし企業が解散しても1株当たり純資産である100円が返ってくることになるので、理屈上は損をしないということになるため、割安であると判断されます。

人気の高い銘柄はPBRが4倍以上となる企業も多く実在します。

PBRが4倍ということは、純資産100円の企業を400円で買うということであり、明らかに割高であるため私は避けるようにしています。

PBRは低いほど割安であり、やはり1倍未満となると割安感が際立ち、買いやすくなります。

ROE(自己資本利益率)

各企業への投資効率を知るためにROEを確認します。

ROEとは企業が主に株主からの出資を受けた資本(=自己資本)を使って、どれ位の利益を出しているかという事ですので、投資家側から見た利益率のようなものです。

例えば自己資本10億円の企業の純利益が1億円の場合、ROEは10%という使い方をします。

ROE=10%は言い換えると企業が資本を回収するのに10年を要するという事です。

指標のイメージとしてはPERと似ているのですが、ROEは株価の影響を受けないので、より純粋に企業の稼ぐ力をはかる指標といえます。

ROEは世界一の投資家ウォーレン・バフェット氏が好む指標として有名です。

ROEの判断基準は業種によっても異なりますが、標準として5〜8%程度といえるので、10%もあれば十分に優秀といえるでしょう。

まとめ

以上により、投資先銘柄を選ぶ際に基準としたい5つの指標について解説させて頂きました。

私はこれらの5つの材料を並べて総合的に判断するようにしています。

参考とする指標は多すぎても少なすぎても良くないと考えています。

確認する指標が5つだけでは少ないのでは?と思われるかもしれませんが、多すぎると作業も煩雑になりますし、判断材料は多すぎると逆に判断が難しくなってしまうデメリットも生じますので、私はシンプルに5つの指標のみを確認し投資判断をするようしています。

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