株式投資は果たして危険なのか
日本人の多くは、株式投資はリスクが高く危険であるという認識が強いです。
下図は日経平均の30年チャートです。
日経平均株価 30年チャート
日経平均は1990年代のバブル崩壊以降、長期に渡り停滞が続いており、25年間が経過した2015年以降においてもピーク時の半分ほどの株価で推移してきており、伸びも見られず、株式投資は危険であるという認識が依然根強く残っています。
日本人はバブル崩壊のトラウマから依然抜け出せず、政府・日銀もあの手この手で景気刺激策を打ち出していますが、株価も物価も給与も思うように上がらない状況が続いています。
このような背景を理由に一般の方の多くは『株は儲からない(損をする)』との認識が強いですが・・・、それは間違っています。
中途半端な知識(噂話やネット情報)だけで『投機』するのではなく、きちんと勉強して正しい知識を身につけ、きちんと自身のマインドを設定して運用することさえできれば、株式投資は決して危険ではありません。
長期投資のメリットとは
株式の有用な投資手法として『長期投資』があげられます。
下図は日経平均株価の100年(対数)チャートです。
日経平均株価 100年チャート
前述で取り上げた30年チャートとは打って変わり、この超長期の視点に立てば、長期運用の優位性が分かるかと思います。
短期的には下落するものの、長期的には物価の上昇と共に大きく値を上げています。
短期的に下落する事は『当たり前』です。
すぐに儲かるのであれば、皆とっくにやっています。
世の中そんなに甘くはありません。
長期投資のメリット 米国市場の歴史
長期投資の優位性は、もちろん日本だけではありません。
下図は米国の株式市場を代表する株価指数である、NYダウの120年チャートです。
米国株NYダウ 120年チャート
こちらでも基本的な傾向としては『右肩上がり』であり、長期投資の優位性が分かるかと思います。
世界恐慌やリーマンショックといった50年に一度という規模の不況に陥っても、長期的な視点に立つことができれば、怖くはありません。
問題はそのような大きな下落局面で皆が投資から撤退し、大きな損失を出してしまうことです。
私自身も投資初心者の時に、このような経験をしてしまいました。
逆にそのような不況時に買い増しができるような確固たる不動のマインドを保つことができれば、その差は雲泥の差となります。
資本家は大きく富を築き、一般の方は損失を被ることで、ますます格差が拡大してしまうのです。
配当を味方につけ、長期で運用する
これでもなお、株式投資に難色を示す方もいるでしょう。
たしかに時期によっては含み損が出たり、長期に渡り横ばいとなることも多く発生しています。
しかし長期投資においては、株価とは別に『配当』を味方につけ、収益をさらに拡大させることができます。
前述の図のような株価チャートには配当の効果は反映されませんが、実際には投資期間中、常に配当が貰えます。
配当は銘柄によりますが高配当株を狙えば3%以上の銘柄も多く存在します。
3%の配当株を20年保有できれば単利で60%、複利で80%も増えることになるので、もしも株価が大暴落をしたとしても、損失となる可能性はほとんどありません。
基本的傾向としては株価も長期的には上昇しますので、配当の複利効果を併用すれば、元本を2~3倍に増やすことも、決して難しくありません。
20年も待てない?という声が聞こえてきそうですが、年利0.01%程度の定期預金をするくらいなら、10年でもやるべきです。
1年で大きく儲けたい?
そういう方は、パチンコ店や競馬場に行くことをお勧めします。
株式投資の原点に立ち返り、長期投資に徹する
そもそも株式投資とは、企業へ資金を出資し、その企業の活動を支援する行為であることを、肝に銘じる必要があります。
株価の短期的な上がり下がりで儲けを狙う、ギャンブルのような取引は株式投資本来の姿ではなく、プロのトレーダーでもない限り、勝てる投資法ではありません。
株式投資とは本来、資本家が企業へ資金を出資し、それを元手に収益を生んだ企業が利益の一部を出資者(株主)へ還元することに起因しています。
この投資の原点に重きを置くことができれば、株式投資で負けることはありません。
この投資の原点から学べることは、株式投資はそもそも勝った負けたの投資ではなく、あくまでも資金を提供する出資者である、ということです。
極端にいえば、出資したお金は一生返って来なくて良い。
それくらいの器量を持って投資することができれば、自ずと結果はついてきます。
著名な投資家チャールズ・エリスは、全米でベストセラーとなった下記著書にて『投資はデートではなく結婚だ』と説いています。
銘柄の入れ替えで売買を繰り返すのではなく、数十年単位での長期投資を推しています。
さらに同書では、保有銘柄の株価チェックは、四半期に1回で十分である、と伝えています。
私も初心者の頃は売買を繰り返していたことで、まったく結果を出せずに損失を出した時期がありました。
しかしその後は長期投資を貫き、今では保有銘柄を売却することはほとんどなくなり、安定して資産を増やせるようになりました。
しかしさすがに株価チャートは、ほぼ毎日見てしまいますね。
それが楽しいもので。
🔹よく読まれている記事